| 八木節 | |
| ハアーーーーーーーーーーー さてもーいちざのーみなさまがたよーー わしのようなるーさんかくーやろがぁーー しかくーしめんのやぐらのうえでーー おんどとるーとはーはばかりながらーー しばしごめんをーこうむりーましてーー なにかーひとことよみあげまするーー おくになまりやかなまちがいーは おゆるしなされでオオイサネー |
アアー さても一座の皆様方よ わしのようなる三角野郎が 四角四面の櫓の上で 音頭とるとは憚りながら しばしご免をこうむりまして なにかひとこと読みあげまする お国訛りや仮名まちがいは おゆるしなされでオオイサネー |
|
|
|
| アアー 国は上州佐位郡にて 音にきこえし国定村の 博徒忠治の生い立ちこそは 親の代には名主をつとめ ひとにゃ知られし大尽者で 大事息子がすなわち忠治 器量骨柄万人すぐれ 剣術柔らでオオイサネー |
アアー 人にすぐれて目録以上 明けて十六春頃よりも ふっと博打はりはじめから きょうもあしたもあしたもきょうも 負けることなく勝負に強く ついにゃ悪事と無職が渡世 義理と人情に命をかけて 男忠治でオオイサネー |